Tついこの前まで犬に興味がなかったハズの人が、気づけば大の愛犬家になっているのはよくある話。それが珍しことではないのを誰もが知っているように、犬には人の人生を簡単に変える力があります。どんな犬にもキャラクターがあって、仕草や好きなもの、こだわりや変な癖があるからこそ、どの犬も『世界に1頭の特別な子』になってしまうのでしょう。

自信の運命犬との時間を『芽萌』が少し雰囲気を変えて小説風にアレンジしたシリーズ第二弾。動物嫌いだった彼女の人生を180度変えた、運命犬メモと過ごした日々を覗いてみましょう。

前編はコチラ

犬まとめ犬運命犬メモストーリー2.pngメモ
〜運命犬との日々<中編>〜

うちの子メモ

茶色くて、
まんまるで、
吠えたりせず
「きゅんきゅんきゅん」
としか鳴かず、
私が母に怒られている
自分も怒られているように感じ
小さく丸まり
名前を呼ばれると首を傾げ
よく甘噛みをし、
私が出かける時には
リードをピンと張って
門の近くでお見送りし、
私が帰ると
また門の近くで
お出迎えをしてくれた。

モスラの成虫
よく似ていて、
私はモスラを見るたびに
「メモだ!」
はしゃいでいた。

ジャイアン1年くらい、
時々あんまんに会いに
うちに通っていた。

しかし、
一度珍しくメモが彼に吠え
それ以来
来なくなった。

メモとの暮らし

私が学校から帰ったら、
メモの散歩

夕暮れ時で、
になると家につく頃には
真っ暗になっていた。

夜中になると
必ずメモの
「きゅんきゅんきゅん」
という声が聞こえた。

原因は決まって、
庭の木にどういう訳か
リード
絡まってしまったから。

自分じゃ取れない程
絡みつかせてしまうのだ。

でも、
でも必ず

メモのおかげで、
我が家の
立派だった日本庭園
ボロボロになった。

自慢だった獅子脅し
ただのホースになり、
水溜池
メモの夏の最適な
涼み場になっていた。

になると、
メモの木の家には
良い毛布
敷き詰めてあげた。

家にはあげられないので、
せめて暖かくなるように、と
木の家の中に
まんべんなく毛布を敷いた。

たまに、
メモを飼うことに
反対も賛成もしていなかった父が、
夜遅く帰宅してから
メモの可愛さに負けてか、
無許可で家にあげ
翌朝、
こたつで眠る父とメモの図
母が発見しては
報告をしてくれた。

しかし、
まだ粗相をする
年頃の話なので、
ご想像通り、
父の顔の近く
用を足していたのだけれど。

メモの野望

メモには
野望があった。

それは
家の中に入ること。

小さいころは
一番叶えてくれる人物だったが、
だんだん大きくなり
まるまるだった身体
しっかりしてきて、
もうだれにも
柴犬だなんて言ってもらえない程
まばらに毛が伸びてきても、
その野望は変わらなかった。

誰かが窓を開け放した瞬間
玄関が開きっぱなしになっている瞬間
メモは必ず飛び込んだ。

メモが、
どうしてそんなに
家に入りたかったのかは
今でも分からない。

でも、
野望ともいえるほど、
メモは家の中
固執した。

事件発生

ある日事件が起きた。

メモの散歩中
私が転び
リードを手放してしまったのだ。

自分が自由になっているのを
確認した瞬間
メモは一目散に
走り出していった。

転んだ足が痛かった。
それでも追いかけた。

「メモー!メモー!」
叫びながら。

散歩道の近くには国道があった。

危なくてそんなところに
行かせる訳にいかない。

痛い足をひきずりながらも、
メモの名前を叫びながら
追い続けた。

メモは、
すぐに見えない程
遠くへ行ってしまった。

ピョンのことが頭をよぎった。

またあんな思いをするのか
と思った。

それよりも今、
どうしたらいいのだろう
と思った。

メモはどこへ…

たまたま通りがかった
悪ガキたちと
何時間も探した後、
真っ暗な空の下
とぼとぼ自宅へ帰った。

すると、
いるのだ。

メモが。

茶色い犬
保健所に連れて行かれた
という噂を聞いた母
出向いてみたら
見覚えのある茶色い犬
アスファルトの部屋で
お座りをして
愛想を振りまいていた
のだという。

脱力して、
そのまま連れて帰ってきた
のだそうだ。

しかし、
ここで終わらないのがメモ。

脱走
メモの趣味になったのだ。

すぐ脱走はするが、
我が家が嫌なわけではないらしく、
必ず数時間後には
戻ってくるのだけれど。

戻ってきたはいいが、
捕まえる時が大変だった。

普段は
とても温厚なメモが
なぜかその時だけ
凶暴化するのだ。

知恵比べ

そこで
私たちも考えた。

家の中に入りたい
メモの野望を利用して
脱走したらまず
玄関を開け放つのだ。

そして先の廊下
ごはんを置いておくのだ。

居間のドアのすりガラスから
こちらを見ているメモを確認すると、
窓から母が出て玄関を閉め
確保!
という流れであった。

作戦は見事、
成功した。

メモは
つくづく家に入りたいのだなぁ
強く感じたのを覚えている。

シリーズ記事:
メモ〜運命犬との出会い<前編>〜

 

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