k家族の一員であっても、『犬』という動物と『人間』とは違う生き物。犬を理解する上で感覚は欠かせません。視覚を頼りにしている人間と嗅覚を頼りにしている犬とでは、コミニュケーションにもコツがいるのをご存知な方も多いはず。彼らはどんな感覚で同じ世界を見ているのか、考えただけで、めちゃめちゃワクワクしませんか?(え、わたしだけ?)

今回は、愛犬2匹と暮らす犬オタクライター「rinojin」より、『感覚と犬』と題して、犬達目線の世界に少しでも近づいてみます。動物としての犬もなかなか奥深く、必読の内容です!

 

犬感覚聴覚

感覚から犬を考える

『犬の感覚』
というものを考えるとき、
何を思い浮かべるだろうか?

 

犬の嗅覚

まずは、
犬の感覚の中
最も鋭い
嗅覚
から考えてみる。

犬は生まれてすぐ
目も開いていない状態でも
嗅覚は発達しており、
匂いで母犬の乳首を探す。

飼い主や家も
嗅覚で認識していると言われ、
食べ物の美味しさも
味覚より嗅覚に支配される。

嗅覚の感度
鼻腔の嗅上皮の表面積
そこにある嗅覚細胞の数によるが、
およそ人間の100万倍とも言われる。

また、
自分の前に誰が通ったかを
嗅ぎ分ける事が可能で、
犬の脳の中で
嗅覚から入るメッセージを
分析する領域は、
人間の40倍もある。

愛犬たちは散歩に行くと、
クンクンと匂いを嗅ぐ、
いわゆるクン活を楽しみながら、
これはあの子の匂いだな、
元気そうだなと
考えているのかもしれない。

このような能力を利用して、
人間のガンの探知
糖尿病の血糖値への反応など
医療現場における
犬の嗅覚の研究が進んでいる。

 

犬の聴覚

次に聴覚についてである。
犬は生後およそ3週間
音が聞こえ始める。

人よりも
高い音域を聞き取れる。

高い音域の音というのは、
祖先が狩猟していた頃の
獲物の鳴き声や、
子犬の鳴き声を連想させる。

一方で、
低い音域の音というのは、
威嚇の声
本能的に思い出させてしまう。

飼い主以外の男の人が苦手で
懐きにくい犬がいるのは、
このためである。

犬は
女の人が好きなのではなく、
高い声の方が好きなのだ。

 

犬の視覚

その次に視覚についてである。

視覚は
嗅覚や聴覚に比べると
かなり鈍い。

見え始めるのは、
生後3週間くらいからである。

これも、
狩猟していた頃の名残から、
遠くで動く物を
見分けることは得意であるし、
元々は夜行性であるため、
かなり暗くても
物を見分けることはできる。

しかし、
人間でいう視力は0.3ほどで、
目の前20〜30センチの物は、
ほとんど見えない。

犬が首をかしげる動作
可愛いものだが、
鼻の先に
死角があることもあり、
気になった物を見えやすくするため
というのが、
あの動作の理由の一つらしい。

例外的に、
人間が改良を加えてきた
サイトハウンドといわれる部類の犬
(イタグレやサルーキなど)は、
優れた視力を持ち、
眼が顔の側面にあるため
視野もとても広い。

また、
については
どうだろうか。

犬は
灰色青色黄色
濃淡で世界を見ている。

犬のボールなどの
おもちゃを選ぶ時、
カラフルな商品の豊富さに悩むが、
青や黄色の物であると
犬にとって見えやすく、
より楽しく一緒に
遊ぶことができるかもしれない。

 

犬の触覚

さらに、
触覚についてである。
犬は皮膚ではなく
被毛の根本
感覚受容器がある。

ヒゲや、まゆ毛
感覚毛と言われ、
特に敏感である。

鼻の先を触られると
緊張状態に
なることがあるのは、
良く知られている。

これも
先祖の時代に
外敵から狙われやすかった部位
であるためと言われている。

 

犬の味覚

最後に味覚についてである。
味覚は、匂いと密接に関係している。

犬が感じられる味は、
塩味、
酸味、
甘味、
苦味、
旨味
である。

ちなみに
甘味は感じられない。

犬は
カボチャやサツマイモやクリームなど
甘いものを好む
猫は好まないのは
このためである。

味を感じる感覚受容器は、
味蕾(みらい)といって
舌の粘膜

口蓋に存在するのだが、
塩辛さを感じる味蕾は少なく、
またその味蕾の数自体
人間の5分の1程度である。

そのため、
食べ物の好みも
味覚よりも嗅覚に
依存しているのである。

食いつきが悪くなったフードでも、
少し温めたり、
ふやかしたりして、
香りを出すと食べることがある。

 

最後に

このように、
犬の行動の多くが
その感覚に基づくもの
だということ、
またその感覚が
狩猟をしていた
祖先の名残を
多く残していることは
とても興味深い。

おもちゃや
フード選びの際にも、
その感覚のことを考えてみると、
愛犬との暮らしを
より楽しめるかもしれない。

 

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