Mマイクロチップ、アップルtag…近頃は迷子対策がいくつもあるものの、いざ愛犬が逃げてしまったらと考えるとガクブルなあなた。そんな私たち世代の心配をよそに、おばちゃん世代が逃げた飼い犬(猫)が『自分で戻ってきた』という話を聞いたことはありませんか?
おばあちゃん世代じゃないけど!笑、実際に犬の『帰巣本能』を経験したことのある、犬オタクライターyossyが気になる帰巣本能について探りました。驚きの本能の実態に注目!
犬の帰巣本能
〜嘘のような本当の話〜
みなさんは
『帰巣本能』
という言葉を
ご存知でしょうか。
「帰巣本能」とは
動物に備わっている
生来の能力のことであり、
元々暮らしている場所に
辿り着くことを言います。
もちろん、
犬だけでなく
魚や鳥にも
備わっています。
ただ、
まだまだ
解明されていないことも
多いようです。
『帰巣本能』?
私がこの言葉を認識したのは、
小学生の頃。
友達の家に遊びに行った時、
その友達の家で飼っている
猫が玄関から出て行ってしまったのです。
焦る私を横目に、
友達が落ち着いて、
「大丈夫。帰ってくるから。」
と言われた時でした。
「え、なんで?猫って賢くない?」
とそこで初めて
『帰巣本能』
というものを知りました。
数年後に
自分の家でも
犬を迎えて暮らし始めました。
当時は
家の周りをネットで囲い、
走り回れるようにし、
外で放し飼いをしていました。
散歩は朝夕の2回、
常に虫や野良猫を追いかけて
走り回っており、
我が家の犬は
運動不足とは無縁。
たとえ扉を開けていたとしても
敷地内から外に出ることはなく、
とても賢い犬でした。
ゴロゴロ、ドーン!
そんな我が家の犬の
唯一苦手なもの
、、、雷。
晴れていても、
遠くの方から雷の音が
する時もありますよね。
その時は、
雷の音が聞こえないようにしているのか、
とにかく走り回るのです。
一通り走り終わると、
窓際に来て器用に前足で
チョイチョイと窓を叩き、
中に入れてくれとアピールします。
そうすると
玄関のスペースに入れてもらい、
雷が聞こえないように
丸まって寝るのです。
とある夜の出来事。
ところが、
ある台風の近づいた夜。
あまりに怖かったのか、
どう考えても
逃げられないようなところから
穴を掘り、
逃げ出してしまったのです。
朝になっても帰ってこず、、
散歩コースはもちろん、
周辺を探し回っても見つからず、
いつもは父親の口笛でどこからでも
戻ってきていた犬が帰ってきません。
気になりつつも
その日を過ごし、
夜になっても
帰ってきませんでした。
私は最悪のことを考えたりもしましたが、
どこかで『帰巣本能』を信じていました。
帰巣本能は実在する?
かれこれ3日ほどたった
ある日の朝、、、
玄関前で申し訳なさそうに
丸まっている我が家の犬が!
この時の感動は今でも忘れません。
私が近寄ると、
耳を垂らして、
尻尾を小刻みに振って
お腹を見せてくれました。
どこに行っていたのか、
何をしていたのかは
全くわかりませんが、
前足の肉球はめくれており、
自力で歩こうとすると
痛そうにしていました。
きっと、
雷の音が聞こえなくなるように
山の中を走り回ったり
していたのでしょう。
よくその状態で家までたどり着いたな。
と感心するとともに、
『帰巣本能』
に確信を持ちました。
驚きの帰巣本能
しかし、
全ての犬が
『帰巣本能』に優れている
とは限りません。
実際に
多くの迷子犬の
情報を耳にします。
犬の『帰巣本能』には、
やってきた道を
匂いの記憶を頼りに戻っていく
“トラッキング(追跡)”と
全く新しい道を開拓しながら戻る
“スカウティング(偵察)”の
2種類があるそうです。
これを元に
海外では面白い研究結果があり、
実験では
6割が“トラッキング”、
4割が“スカウティング”
で帰巣し、
行方不明になった犬は
いないとのことでした。
人間だと
ほとんどの人が
元来た道を戻ろうとする
と思いますが、
犬は
新しい道を開拓して
帰巣するんですね。
犬もコンパスを使う?
この実験で
“スカウティング”で
帰巣した犬全てに
[地磁気]
を元に帰巣する動物に見られる
コンパスラン(方位測定走り)
が見られました。
犬はコンパスランを行い
地球の磁場に対して
辿るべき方向を再構築
しているそうで、
これは
人間がスマホなどの
コンパスで方角を探すのと
同じ行動だそうです。
非常に高度な帰巣法ですよね。
お散歩時にチェック!
最近の研究で、
犬は排尿時に
体の向きを南北の線に
合わせる姿勢を取ることが
報告されていますので、
お散歩中コンパスを向けて
調べてみると良いでしょう。
もし正確に南北に沿っていたら、
[地磁気]を使った帰巣本能に
優れているかもしれませんね。