N日本では、保護施設や保護犬の存在が浸透しつつある昨今。ふと、『海外ってどうなんだろう?』と思ったことはありませんか?保護犬やシェルター(保護施設)がもっと身近で、生体販売がないなんて噂も。テレビなどで目にする、明るい雰囲気で楽しそうなイメージは本当なのか…ということで!動物愛護先進国の1つ、オーストラリアのシェルター事情にクローズアップ。
なんと今回は、オーストラリアのシェルターでボランティア経験を持つ犬オタクライター「Akane」が実体験をシェア!1日の流れから、譲渡の様子までリアルな海外シェルター事情を大公開。
気になる!
海外アニマルシェルター事情
日本はペット後進国
ご存知の方も
いらっしゃるかも
しれませんが、
日本は
他の先進国と比べて
ペットを取り巻く環境が
遅れていると言われています。
海外は
「飼い主はペットの保護者で」
という考え方に対し、
日本は未だ
「ペットは所有物」です。
獣医療や
公共の設備なども
違いがありますが、
今回は私が実際に体験した
アニマルシェルターについて
お伝えしようと思います。
シェルターって
どんなとこ?
オーストラリアには
野生動物も多く、
たくさんの
動物愛護団体が
存在します。
その愛護団体の多くが
広大な敷地に
シェルターや
動物病院などの施設を持ち、
様々な理由で
保護された動物たちが
新しい家族を待っています。
日本の場合、
“収容所”というと
どうしても
暗くて哀しい表情の動物たちを
思い浮かべるかと思いますが、
私がボランティアしていた
AWLQ(Animal Welfare League of QLD )では
犬達がとても
楽しそうな顔を
していました。
そしてもう一つ
印象に残ったことが、
犬を見に来る人が
ひっきりなしに来ることです。
日本で保護犬を飼おうとすると
譲渡会が一般的だと思いますが、
AWLQは
シェルターが開いている時間は
いつでも犬達に会うことが出来ます。
オーストラリアでは
ペットショップで
子犬を飼うこともありますが、
あまり一般的ではありません。
新聞広告や
シェルターへいって
新しい家族を迎える
ことの方が多いのです。
動物愛護団体で
保護されている子が
ペットショップで
里親募集されている
場合もあります。
また、
ショッピングセンターなどで
犬を連れて募金活動をしたり
ボランティアも参加して
海岸をドッグウォークしたり・・・
こうした啓蒙活動が
たくさんの人に
“知ってもらうキッカケ”
を作っているのです。
ボランティアのお仕事って??
ざっと説明させて
いただいたところで、
ボランティア疑似体験!
シェルターに着いたら、
まずは名札を付けます。
みなさんにはしばしの間、
私Akaneになっていただいて・・・
Penと呼ばれる
犬達の部屋の前には
犬の名前や性別、
生年月日や
自己紹介が書かれた
プレートがついています。
初めは部屋やクレートの掃除、
あとはドッグランで遊んだり、
洗濯したりやることは山積みです。
お世話のボランティアの他に
トリミングや
猫など他の動物の
お世話をする
ボランティアもいます。
この辺りは
日本とあまり
変わらないかも
しれません。
ごはんの時間になったら
決められた量の
ドライフードと
ウェットフードを
混ぜて準備します。
収容頭数が多いときは
ボランティア総出です!
大型犬が多いので
消費量もすごいです。
準備が終わった後は
空き缶だらけに(笑)
また
屋外シェルターなので
夏はプール、
冬は毛布を各部屋に入れ
なるべく
犬達が快適に過ごせるように
してあげていました。
ごはんをあげた後は
掃除や洗濯などの
雑務をし、
また来週!
シェルターにいる犬達
週一回のボランティアを
約8カ月していましたが、
脱走して出戻ってきた1匹を除き(笑)
ほとんどの犬が
新しい家族に出会い
譲渡されていました。
AWLQでは
定期的にキャンペーン
のようなものもやっていて、
里親になる費用は
その子によって
決められているのですが
クリスマスには
「みんなに家族を!」
などのキャッチフレーズで
費用を安くしたりすることもあり、
ほとんど犬がいない状態に
なることもありました。
日本では
批判的な意見も出そうな
キャンペーンですが、
あくまで費用が安くなるだけで
その子の命の値段ではありません。
里親になるには
飼育環境の調査など
厳しい条件があります。
シェルターにいる犬達の他にも
預かりボランティアの
おうちにいる子
(Foster Care)もいるので
一概には言えないのですが、
やはり
ロットワイラーや
マスティフなど
大型犬のミックス、
オーストラリア原産の
オーストラリアン・ケルピーや
キャトルドッグ、
ニューサウスウェールズ州では
ドッグレースが認められており
それに使われる
グレーハウンドなど
日本では
なかなか見られない犬種ばかりで
子犬や小型犬は半数以下でした。
愛嬌のある子ばかりで
人が近づくと
尻尾を振って
寄っていく子が
ほとんどでしたので、
すぐに家族が
見つかったのかもしれません。
日本で保護犬というと
野犬や
劣悪な飼育環境に置かれ
人間嫌いだったり
臆病な子が多い
印象がありますが、
そういった子は
少なかったように感じました。
犬の為に何が出来るか?
私が
実際ボランティアをして
感じた事は、
同じことを
日本でしようと思っても
数十年単位で時間がかかる、
ということです。
設備や資金の面では
もちろんですが、
人々の意識を変えないと
ペット先進国と
同じようにはならないからです。
そのためには
犬好きの人だけでなく、
そうでない人にも
まずは知ってもらうことが重要です。
悲しいから・辛いから
殺処分がある現実から
目を背けてしまうことも
あると思います。
しかし、
第二の犬生を
楽しく暮らしている犬達も
たくさんいます。
そういった犬達を
一匹でも増やすために、
犬と暮らすことの
素晴らしさを知っている
私たちだから出来ることが
あるはずです。
一緒に考えてみませんか?