B漠然と大型犬と小型犬の違いを理解しているつもりでも、いざ挙げようとすると「大きさ…?」くらいしか出てこないもの笑 同じ犬という種類の動物といえど、実は大型犬と小型犬には驚くほどの違いがいくつもあるのをご存知ですか?
今回は、ペット用品の現場を通して様々な犬と関わる『rinojin』と、大型犬と小型犬の違いについて掘り下げてみましょう!意外な事実に、びっくり間違いなしの内容です。
大型犬と小型犬の違い
オオカミを祖先に持ち、
大昔から人間と共に暮らしてきた犬。
最初は狩りを手伝う狩猟犬として、
そして様々な生活様式に合わせて
改変が重ねられ、
現在300種類以上の犬種が公認されている
(700以上の犬種が存在するらしい)。
その結果、
犬は同じ種にも関わらず、
犬種によって
非常に大きな体格差や体重差を
持つ動物となった。
例えば
最大の犬と呼ばれる
グレートデーンや
セントバーナードは
大きな個体で体重100キロを超える一方で、
最小の犬のチワワは、
大きくても体重3キロほどだ。
同じ犬でも、
こんなに差があるのなら、
必要な栄養やケアが同じとは限らない。
大型犬と小型犬は
どこがどのように
違うのだろうか。
誕生と成長
まず、
誕生と成長に関して
考えてみる。
小型犬の成長期は
生後8〜10ヶ月くらいまでで、
誕生時150gほどのプードルなどは
1〜3匹が一回のお産で生まれる。
子犬は母犬の体重の
5%ほどの大きさで生まれ、
約20倍に成長していく。
一方、
大型犬の成長期は
15〜18ヶ月くらいまで、
超大型犬は生後2年くらいまでは
体が大きくなる。
誕生時600gほどの
ニューファンドランドなどは
8〜10匹が一回のお産で生まれる。
子犬は母犬の体重の
1%ほどの大きさで生まれ、
約70倍〜100倍にも
成長していく。
このように、
体重増加率は
大型犬になるほど高くなり、
成長期の長さも
体が大きくなるにつれ
長くなる。
ちなみに、
骨の発達の順序にも
違いがある。
小型犬は、
骨組織の発達は
離乳前にピークを迎えるが、
大型犬では離乳後である。
小型犬は早く成熟するが、
大型犬は、
小型犬に比べると
未成熟な状態で生まれるため、
ゆっくりと成長するのだ。
カロリー要求量
次に、
カロリー要求量
についてである。
体重1kgあたりに
必要な代謝エネルギーは、
大型犬では、
50kcalほどであるのに対し、
小型犬では、
その約2倍の
100kcalである。
小型犬は
一回の食事量は少ないが、
体重あたりのカロリー要求量は多く、
それぞれのサイズに適した
栄養バランスとカロリー密度の
食事が必要だと理解できる。
加えて、
顎や歯の小さな小型犬は、
フードのギブル(粒)の
大きさにも配慮が必要だ。
寿命と身体
また、
一般的に大型犬の方が
小型犬より短命だと言われる。
これはなぜか。
理由として、
①
大型犬は、
消化管重量の
体重に占める割合(約3%)が
小型犬より小さいために
負担がかかりやすい。
大きな体の割に、
消化管が相対的に
短いのだ。
②
腸内のミネラル吸収率が低く、
食事で摂取した物の
通過時間が長い。
そのため内容物の
発酵が進みやすく、
糞臭が強く
軟便になりやすい。
③
重い体を支えるため、
関節にかかる
負荷が大きい。
④
体を維持するために、
小型犬よりも
多くの細胞分裂を
行わなければいけない
大型犬は、
その過程で
ガン細胞の発生率が、
小型犬より高くなってしまう。
ことなどが挙げられる。
ゆっくりと成長し、
早くも5歳くらいからは
シニア期に入っていく
大型犬には、
消化性第一の
腸内の細菌のバランスまで
考えるようなフードがオススメだ
(今のフードやおやつの
トレンドは乳酸菌!
腸内環境を整えようという
プレバイオティクスという流れは、
もはや人間だけはない)。
一方で、
小型犬のシニア期は
8歳くらいからと言われる。
最後に…
このように、
大型犬と小型犬には、
同じ犬とは言えども、
いろいろな違いがあり、
フードにも体の大きさによって、
小型犬用とか
大型犬用とか
があるのも納得だ。
しかし、
体重差や体格差に関わらず、
愛すべき家族であるのには
変わりない。
抱っこができる小型犬も、
存在感の半端ない大型犬も
その特性を理解した上で、
幸せで楽しく終生共に
暮らしていけたら良いなと思う。