M昔はよく見かけた『野犬』。悲しくも捨てられてしまったのか、元々飼われていないのかは分からずとも、犬好きなら放って置けない気持ちになるも、当たり前。でも、いざ『家族として迎えよう!』と決断したら、次に何をすればいいかって意外と分からない。

そんなもしもの時のガイドラインとして、実際に保健所から保護犬を受け入れた経験を持つ、犬オタクライター「芽萌(めも)」が、具体的且つ細かなステップで対応方法を伝授します。

野犬を迎えたら…

近年、
日本でも定着しつつある保護犬って
どういう経緯で
保護犬になったかって知っていますか?

飼い主さんに捨てられたり、
迷子で飼い主さんが現れず譲渡されたり、
ペットショップやブリーダーさんで
売り物にできなくて保護犬になったり。

そんな中、
一度も人に飼われたことのない
野犬がいることはご存知でしょうか。

今回は、野犬を迎える際の注意点をお伝えいたします!

野犬保護野犬とは

野犬とはここでは前述の通り、
一度も人に飼われたことのない
わんちゃんを指します。

捨てられたわんちゃんが繁殖し、
子犬時代から外で生活してきています。

今じゃ都心ではほぼ見ない野犬ですが、
今でも野犬問題がある地域があります。

 

野犬の特徴は?

・人馴れしていない
→人との関わりは、
餌付けの時間のみのため
基本的に人馴れはしていません。

・汚れている
→一度もシャンプーしたことなく
外で育っています。
シャワーは雨しかありません。

毛玉もありますし、
物凄く汚れています。

・痩せている
→基本的にいつも空腹です。
体高体長より痩せていることが殆どです。

・噛む
→外には怖いものが沢山あります。
人も怖いものに当てはまります。
それらから身を守らなければならないため、
怖いと思えば噛むこともあります。

以上が
どの野犬にも当てはまる
特徴となります。

 

迎えてからすること 

1 病院に連れて行こう

お迎えしたらまず、
病院に連れて行きましょう。

草むらや山の中で過ごしてきた彼らは、
色んな病気を持っている可能性があります。

 

病院では

  • フィラリア感染の有無
  • 駆虫剤の処方(うんちを持参するといいでしょう)
  • ノミダニの駆虫剤の処方
  • フィラリア駆虫剤の処方(フィラリアに感染している際には主治医との相談が必要です)
  • ワクチン接種
  • その他感染症の有無
  • 妊娠の確認(メスの場合)
  • 皮膚のチェック
  • 耳垢のチェック
  • 爪切り

をお願いしましょう。

ちなみに、
狂犬病ワクチン→混合ワクチン
の順で打つと短期間で両方を終えられます。

野犬だった子は、
院内で脱糞することが多々あります

診察の際には、
脱糞するかもしれないことを
告げてから診察台に乗せましょう。

 

2 シャンプーをしよう

ワクチンが終わったら、
シャンプーをしましょう。

泥や抜け毛、
臭いが酷い状態でしょう。

初めてのシャンプーはプロ、
それも何かあった時に
対応してくれるであろう
ドッグトレーナー常駐の
サロンにお任せすることをお薦めします。

サロンで予約を取る際、
伝えた方が良いこと

  • 元野犬であること
  • 噛む可能性があること
  • 脱糞する可能性があること

です。

時に、
脱糞が下痢になって
施術を中断されることも
念頭に置いておきましょう。

噛む可能性ですが、
その子その子により反応が違うため、
震えたまま施術が終わることも
ありますのでご安心ください。

また、
病院で皮膚炎が見つかった場合には、
病院処方のシャンプーと
保湿剤を使用することをお薦めいたします。

 

3 トレーニングをしよう

人馴れしていない野犬は、
人は勿論、
人と生活する環境にも
慣れていません。

ソファも
TVも
トイレシートも
知りません。

姿は成犬でありながら、
子犬のような好奇心
家の中を破壊していきます。

ふいに噛んでしまうこともあります。

これは飼い主さんも
ショックを受けることでしょう。

芸を教えるためではなく、
正しい対応とその子が快適に
新しい環境で生活できるようになる為、
ドッグトレーニングを取り入れることを
強くお薦めいたします。

 

4 仲良くなろう

ここが一番知りたいところですよね。

でもごめんなさい。
これは、
その子その子によってペースも、
信頼を寄せてくれるようになる理由も
変わってきます。

我が家の例を出してみます。

我が家には
推定3歳で山口県から来た
元野犬がいます。

迎えた初日から尻尾をぶんぶん振って、
どうにか気に入られようと頑張っていた彼は、
当初は表情がありませんでした。

怖かった保健所から出してくれたこと、
この人に気に入られなきゃ、
という気持ちだったのかもしれません。

1ヶ月程して、
心の壁があった彼の壁が崩れました。

それは、
私の不注意からでした。

落ちていたホースの
プラスチックの破片に気付かず、
彼が噛んで遊んでいた時に、
奥歯に詰まらせてしまったのです。

気付いた時には、
口が閉まらず
ヨダレが垂れ流し状態でした。

慌てて病院に連れて行き、
プラスチックを除去してもらい、
事なきを得ました。

すると、
この人間は助けてくれると感じたのか、
そこから私への信頼が
一気に構築されたようで、
近くでうたた寝してくれるようになったのです。

私の例は
褒められたものではありませんが、
何がきっかけになるかは分かりません。

根気よく、
一緒に生活していけば
いつかは心を開いてくれるでしょう。

 

如何だったでしょうか?

人馴れしていない
野犬と生活することは
大変なことも多いです。

しかし、
色んなことが徐々に怖くなくなり、
できることが増えてゆく姿を見られるのは
格別の喜びがあります。

犬を迎えるつもりの皆様は、
野犬を迎えることも
是非視野に入れてみてください!

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください