J自分でドッグフードを選べない犬だからこそ、丁寧に選んであげたいのが愛犬家心。愛犬が美味しいと感じて、健康に良いドッグフードを選べたら最高ですよね。しかし、数あるドッグフードの中からより良いフードを探し当てるには、正しくパッケージを読み解くための知識が欠かせません。
今回は、売り場で数々のドッグフードを販売してきた犬オタクライター『rinojin』より、フードを取り巻く我が国の環境と、パッケージを読み解く注意点をご紹介。次のフード選びが楽しくなる内容です!
ドッグフード、
そのパッケージから分かること。
皆さんは、
ペットフードや
おやつを購入するとき、
パッケージの何を見て、
何に惹かれて
レジに持って行くだろうか?
パッケージには
その商品の情報が
ギュッと詰まっている。
パッケージと
その表示について
考えてみる。
ペットフード安全法
まず日本には、
ペットの健康を守り、
動物を愛護することに
寄与することを目的として、
ペットフード安全法
という法律がある。
この法律の対象は
犬と猫だけで、
動物用医薬品以外の
フードやおやつ、
サプリなどに適用される。
この法律によって、
ペットフードのパッケージには、
1名称
2賞味期限
3原材料名
4原産国名
5事業者名及び住所
の表示が義務付けられている。
幼犬用などの目的や
内容量、
給与方法や成分など、
その他
よくチェックするであろう項目は、
法律ではなく、
ペットフードの表示に関する
公正競争規約で定められており、
活字の大きさなども
細かく決められている。
材料表記のトリック
愛犬のためのフードだから、
何がどのように
配合されて作られたのか、
とても気になるところだ。
そこでパッケージを見てみよう。
まず、
原材料名には、
使用量の多い順に
全てが記載されている。
原産国名は、
そのペットフードの
最終加工が行われた国のことだ
(充填や包装は含まない)。
このとき要注意なのは、
原産国は、
ただの加工された場所を示すだけで、
原料が作られた
原料原産地を表すわけではない
ということだ。
だから、
日本国内で生産された
国産という記載でも、
原料は
輸入されているかもしれない
ということだ。
ちなみに、
パッケージ上では、
「ビーフ」とか
「まぐろ」など
特定の原材料を
美味しそうな食材の写真や、
イラストや説明文などで
示していることがある。
これらは
強調表示
と呼ばれる。
強調表示は、
内容量の5%以上
を使用した原材料のみ
認められている。
5%未満の場合には、
「〇〇入り」とか
「〇〇フレーバー」とか
「〇〇味」
などと記載され、
区別される。
フードと法律
日本は、
ペットに関しての
法律の整備が
まだまだ遅れていて、
ペット後進国だと言われている。
欧米から見れば、
子犬や子猫を
早くから親や兄弟から引き離し、
ショーケースで販売する
ペットショップ自体が
理解しがたいものであるし、
保護した犬や猫について
警察に相談すると、
財布などの落とし物と
同じ扱いをされる。
日本の法律の遅れは、
フードに関してでも同じで、
ドイツでは
ペットフードの原材料は、
人間が食べられる品質のもの
を使用することが
義務づけられている。
一方で日本では、
「肉類」とか
「副産物」とか
「〇〇ミール」と記載される、
いわゆる4Dミート
(1dead 死んだ
2dying 死にかけた
3disabled 障害のある
4diseased 病気の)
と呼ばれる
原材料として
明確に記載しにくい肉や
毛皮や爪などすら
使われていることもあるようだ。
変化の行方
令和3年6月1日から、
日本でも
動物の愛護及び管理
に関する法律が改正されたのを
ご存知だろうか。
これは、
1 ペットショップで販売される
子犬や子猫の寝床やケージの
広さをより広くする
2 運動スペースを確保すること
3 世話をする職員の数の規定
4 輸送や展示の方法の改善
5 マイクロチップ装着
6 繁殖に使われる動物の
出産回数と年齢の制限
7 幼齢の動物の販売制限
などである。
まだまだ
ペットショップで販売される
子犬や子猫の全てが、
そして
繁殖に使われてしまう
犬や猫の全てが
幸せだとは到底言えないだろうが、
少しずつでも待遇が改善され、
より幸せに暮らしていかないといけないと思うし、
この法律改正の動きが、
ペットフードにも拡がってほしい。
ラベルレスの商品も出てきた現在、
パッケージに求められるのは、
より一目で
商品のメリットを
消費者に的確に
伝えること
ではないだろうか。