Pペットショップに行くと、ここ数年デンタルケア用品のコーナーがどんどん大きくなっていくのを感じます。今度こそ、うちの子が受け入れてくれる歯磨きグッズを探したいと想いつつも、諦めムードになりがちなデンタルケア。売れているのも事実でしょうが、困っている愛犬家が多いともいえるのではないでしょうか?
今回は、ペット用品が得意ジャンルの犬オタクライター『rinojin』より、犬の口腔や歯の構造からデンタルケアのすゝめについてお届けします。
愛犬デンタルケアのすゝめ
我が愛犬の
デンタルケアについて
悩みを抱える飼い主も
多いのではないか。
人も犬も
口腔ケアは大事
と言われるのはなぜか。
犬の歯の構造から
考える。
乳歯から永久歯へ
まず、
犬の歯は
乳歯は30本。
3ヶ月半ばから
だいたい
生後半年までの間に
永久歯に生え変わる。
後臼歯という奥歯は
乳歯にはなく、
この生え変わりの時期に
生えてくる。
この時期、
特に歯がムズかゆいため、
甘噛みが激しかったり、
家具などを
噛んでしまったりする
子犬も多い。
歯固めや
コットンロープなど、
噛んでも良い玩具を
誤飲に注意しつつ、
しっかり噛ませ、
生え変わりを促すと
犬のストレス解消にも繋がる。
次に、
永久歯は42本。
乳歯に比べると
大きく丸みがある。
生後半年を過ぎても
乳歯が残る状態を
乳歯遺存という。
乳歯と永久歯が並ぶため、
歯垢がたまりやすく、
噛み合わせも悪くなる。
動物病院で
口腔内も診てもらい、
必要ならば
抜歯をしてもらうと良い。
犬の歯は強い?
犬の歯は、
人間に比べると
虫歯になりにくい。
それは、
犬の口腔内に
秘密がある。
犬の口腔内は
アルカリ性であること
(人間のは虫歯菌が好む弱酸性)、
また
犬の唾液は
デンプンを分解する
アミラーゼという酵素が
含まれないため、
口腔内に
糖分があまりないためである。
しかも
歯が尖っている形状で
くぼみが少ないため、
食べカスが
たまりにくいのだ。
デンタルケアの重要性
では、
犬にはデンタルケアが
必要ないのかというと、
そうではない!
人間に比べて
歯垢が歯石に
変わり始めるスピードが
猛烈に早い
(なんと3〜5日!
人間は1ヶ月ほど)。
しかも、
きれいに歯石を取るには、
動物病院での
スケーリングが必要だ。
細菌の固まりである
歯垢は、
歯に付着すると
歯茎に炎症を起こし、
口臭の原因に
なるだけでなく、
顎の骨や鼻の骨を
溶かしてしまい、
鼻炎になったり、
歯が抜けてしまったりする。
また、
歯垢由来の細菌が
血管に吸収され
体中をめぐり、
心不全や
腎臓病の原因に
なることもあるのだ!
そのため、
なるべく歯石に
ならないように
デンタルケアを
することが大切なのである。
特に小型犬は
歯が小さく、
骨に対する
影響が出やすい
ことにも要注意だ。
継続できるケア探し
愛犬には
いつまでも
元気でいてほしい。
そのためには
デンタルケアは、
今や欠かせない。
その重要性に反して、
犬にとってハブラシは
ただの異物であり、
口の中を
いじられることは
不愉快で
ハミガキ嫌いの
犬も多い。
では、
毎日のケアを
どうしたら良いか。
歯ブラシ好きに
なってもらおう!
子犬の頃から
口の中を触られることに
慣れてもらおう。
ケアの導入として、
ハミガキシートを
使うのも手だ。
指サックタイプの
商品も出ていて、
歯の表面を
優しく触るようにこする。
シートでは、
歯の間を磨くのは難しいので、
最終的に
ハブラシが使えると良い。
歯ブラシを
口に入れやすくするため、
チキンやミルクフレーバーの
ジェルも人気だ。
鶏肉や野菜の
茹で汁を使う
という手もある。
それらを歯ブラシに付けて、
歯ブラシが口の中に入っても
嫌ではないと認識させる。
お水のタイプは
どうだろう?
水に混ぜるタイプの
デンタル用品もあるが、
飲む水の量は、
かなり個体差がある。
水の量や
水を飲むタイミング、
唾液の量などでも
歯垢のつきやすさは
変わる。
唾液の分泌を
促すためにも、
口腔内を優しく触る
デンタルケアは
重要なのである。
歯ブラシのコツは
とにかく優しく
無理せずにである。
最後に…
我が家の愛犬たちも、
ハミガキは苦手なので、
ガムを使う。
ガムだけでは、
なかなか歯垢は取れないため、
ガムを噛ませながら、
その間だけは
歯ブラシでブラッシングをしている。
少しずつでも
続けていくことが
大事だと思う。
ペットショップには、
数々のハミガキおやつや
デンタルケア用品がある。
ぜひ我が子に合った
デンタルケアを
続けてみて頂きたい。