I犬の避妊去勢については、なかなか判断が難しいポイント。自然に反する過剰なコントロールは良くないとの意見もあれば、病気や望まれない子犬を防ぐためにした方がいいとの声も。また子犬期であれば、受ける時期もすぐやってくるのでじっくり悩む時間もありません。最終的には飼い主の判断だからこそ、なんとなくではなく正しい知識から判断したいもの。
今回は、最近愛犬の去勢手術を終えたばかりの『rinojin』から、避妊去勢手術と術後のケアについて。『太る』原因や対処法についても詳しくご紹介。
犬の避妊去勢手術
について
犬と暮らし始めて、
誰もが考えるであろう
避妊去勢手術について、
そのメリットや
手術後に
犬の体に起こる変化
について考えてみる。
オス・メス別
メリット
避妊去勢手術を受けると
太ると言われるが、
その理由は何なのであろうか?
まず生後半年以降の
飼い犬の約55%が受けた
というデータもある
避妊去勢手術。
その最大のメリットは、
性ホルモンによる病気を
防げるようになる
ということだ。
●メスの場合
・子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の予防
・発情期に攻撃的になるなど、周期的な
性格の変化がなくなる
・発情期の出血がなくなる
●オスの場合
・前立腺肥大、肛門嚢周囲炎、会陰ヘル
ニア、精巣腫瘍などの予防
・マーキングの回数や攻撃性の低下
・マウンティング行動を抑える
・メスの発情の匂いで興奮し、
追いかけようとして起こる逸走を防ぐ
肥満の原因
次に、
なぜ避妊去勢手術を受けると
太りやすくなるのかを
考えてみる。
メスの場合の避妊手術では、
卵巣だけを摘出する場合と、
卵巣と子宮も摘出する場合があるが、
後者の方が一般的ではある。
オスの場合、
精巣を摘出する。
脳からの刺激で
卵巣から分泌される
エストロゲン(女性ホルモン)には、
食欲を抑える働きがある。
また、テストステロン(男性ホルモン)
の一部はエストロゲンに変わるため、
オスもメスも避妊去勢手術を受けると、
食欲を抑えてくれるはずのホルモンが
分泌されなくなってしまう。
それに加え、
性に関する行動を
起こすこともなくなるため
活動量は低下する。
さらに、
基礎代謝も低下する。
そういういくつかの
要因が絡み合い、
避妊去勢手術を受けると
太りやすくなるのだ。
肥満だと、
どうなる?
実際に、
避妊去勢手術を受けた犬は
術後2週間で
食事量をコントロール
しないでいると、
約30%も増える
というデータがある。
肥満は
どのような影響を
犬に与えるのだろうか?
肥満になると?
病気のリスクが
UPしてしまう。
例えば、
適正体重の場合と
比較すると、
心臓病は1.7倍…
関節炎は3.3倍も
発症リスクが上昇する
と言われる。
肥満は万病の元
と言われるように、
予防はとても大切なのである。
欠かせない運動
避妊去勢手術後に
太らないようにするため、
飼い主が愛犬に
してあげられることは
何だろうか?
まずは、
術後の状態が落ち着いたら、
無理なく活動量を増やしていく。
筋肉が落ちてしまうと、
代謝も低下してしまうため、
筋肉量を維持していくことが
大切になる。
10分だけ散歩の時間を
朝晩増やしてみるとか、
飼い主が万歩計で
歩数を計測し、
1日の目標を立てるのも面白い。
今は
歩くとポイントがもらえる
アプリもあるので、
それを使うと自分も
愛犬の運動量の
確保もできておトクだ!
食事ケア
次に、
やはり大事なのは
フードを見直すことだ。
成犬の場合、
避妊去勢手術後に、
今までと同じフードで
体重が増えてくるようであれば、
低カロリーのフードへの切り替えや
おやつの量を考えた方が
良いかもしれない。
避妊去勢用フードは
カロリーを抑えて
食物繊維をプラスしているものが多い。
最近の研究では、
高タンパク+高食物繊維の食事は、
どちらか一方だけを
高めた食事よりも
満腹感を与えることが
分かっている。
おやつは、
あげるのであれば、
フードを少し減らすなど
工夫が必要だ。
手術以上に、
体調管理が大切。
小型犬は生後約半年を過ぎると、
性成熟を迎えるため
避妊去勢手術を考える
時期である(中型〜大型犬はもう少し遅め)。
早い時期に
避妊去勢手術を受けた場合、
また成長期であるため、
体重の増え方や
子犬用フードから
避妊去勢用フードへの
切り替えは、
獣医師に相談する方が良い。
しっかり体の成長を
促しつつ、
体重管理をしていくことが
愛犬の長生きの秘訣となる!